grandma


俺はどうしようもない
おばあちゃん子だった。

ばーちゃんは
どんな時でも、どんな事があっても
俺が甘えられる最高に居心地が良くて
大好きな場所だった。

俺が何か悪いことをして
両親から怒られると思ったら
少し離れた隣町に住む
ばーちゃんの所が逃げ場所だった。
だから俺には家が2つあると思っていた。

物心ついた頃から
高校を卒業するまでの間
ずっとお小遣いを
貰いに行っていたのも
ばーちゃんの所だった。

週末にスケボーをしに
隣町まで行って、その晩は
ばーちゃん家に泊まるのが嬉しかった。
仏壇の間に2人分の布団を敷いて
戦争の話を何度も聞いた。
ばーちゃんからの昔話を
聞くのが好きだった。

山口を出てからは年に数回ほどしか
会うことはなくなった。
それでも帰った時は
いつも同じ調子で話が出来た。
こちらの話を理解しようとしてくれたから
俺のやっている音楽のことを
説明するのが好きだった。
2人の間の時間と感覚は多分
俺の高校生くらいでずっと止まっている。

ばーちゃんとは母親側の
お母さんのこと。
母親の兄にはその子供がいて、
つまり俺には従兄弟がいる。
従兄弟家族は小さい頃から
山口を離れて暮らしていた。
俺の方が近くに居たからか
そんな彼らを差し置いて
とにかく俺に愛情を沢山注いでくれた。

従兄弟や親族、親戚の同世代達が
子を持ち親になった。
自分に子供がいない事に
焦りと申し訳ないという
気持ちがずっとあった。
だから自分の子供をばーちゃんに
見せる事が自分なりの
ばーちゃん孝行だと思っていた。
それは叶わなかった。
でもそれを自分の都合の良いように
考えれば、最後まで気を使わせる
ただの孫でいられたのかもと思う。

ばーちゃんの家はまだその場所にある。
今までの様にばーちゃんの家に
行っても、もう会うことは出来ない。
いきなり訪ねて行くと少し驚いて
また嬉しそうに「来たかね」と
言ってくれた。
それをもう聞くことは出来ない。
ただそれが寂しい。

ごめんね、そして、ありがとう
ばーちゃん。

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